[知床] 桐山和雄(NPC) : ザ。

[知床] 桐山和雄(NPC) : 「どこへ逃げる」

[知床] 桐山和雄(NPC) : 「チエル」

[知床] 桐山和雄(NPC) : そして男が辿り着いた先には。

[知床] 桐山和雄(NPC) : 副担任、そしてアズサの姿が。

[知床] チエル : 肩で息をしながら這う這うのていで逃げていたが、女の脚力で振り切ることは出来なかった。

[知床] 白洲アズサ : 「……チエル、タクシー先生!」

[知床] 白洲アズサ : ごくり、と息を飲みながらも────再会に感動する暇もない。

[知床] 白洲アズサ : 「……なぜ、チエルを追いかける!?」
チエルの前に立ち、桐山に問う。

[知床] タクシー運転手 : 「おっ、待ってたら誰か来ると思ってたけど、本当に来たか」

[知床] 桐山和雄(NPC) : その問いに答えず。

[知床] 桐山和雄(NPC) : 鋭利な針が真っすぐと、アズサの右足を貫く。

[知床] 桐山和雄(NPC) : 「答えは明白だ」

[知床] 白洲アズサ : 「────!!!!」

[知床] 桐山和雄(NPC) : 「俺は殺し合いに乗った」

[知床] 白洲アズサ : 「ッ、ぐ、ぅううううッ……!!」

[知床] 白洲アズサ : 不意の、一撃。
白い雪に、赤い点々が、落ちるも。

[知床] 白洲アズサ : 「逃げろ!!」

[知床] チエル : 「あ、アズサちゃん!!!!??」

[知床] チエル : 「でも…血が!」

[知床] タクシー運転手 : 「…って、なにをやっとんじゃい!」
桐山の頭を軽く小突いてみる。

[知床] 桐山和雄(NPC) : ひょい。

[知床] 桐山和雄(NPC) : 首を傾け、躱し。

[知床] 桐山和雄(NPC) : 「?」

[知床] 桐山和雄(NPC) : 不思議そうな目で見て。

[知床] 桐山和雄(NPC) : 「何故殺し合わない?」

[知床] 白洲アズサ : 「平気だ……ッ!それに、私にはこれもある」
きずぐすりを見せながらも、油汗は止まらず。

[知床] タクシー運転手 : 「…メリットがないからなぁ」
「それ以前にもっと命を大切にして欲しいんだけど」

[知床] タクシー運転手 : 先生悲しい。

[知床] 桐山和雄(NPC) : 「メリットか」

[知床] 桐山和雄(NPC) : 己の首輪を、とんとん、と叩く。

[知床] 桐山和雄(NPC) : 「これを外せる」

[知床] 桐山和雄(NPC) : 「自分の命を大事にしろという教えがある通りだ」

[知床] チエル : 「う、うわあああああああああっ!!!」
度重なる心労と目に映る血。そして何よりも、平然と人を傷つける同級生が、自分を庇ってくれている様子のアズサや、副担任の男のことを一瞬忘れさせ、チエルをその場から逃げるように走らせた。

[知床] タクシー運転手 : 「たしかに自分の命は大切だけどさァ…」
「先生としては周りの人のことも大切にして欲しいわけよ」

[知床] 白洲アズサ : 「……行ってくれたか」
その様子に安堵しながらも、副担任に頷く。

[知床] 白洲アズサ : 「……全ては虚しい。どこまで行こうとも全ては虚しいものだ」

[知床] 白洲アズサ : 「だが、だからといって……
 言われたまま、誰かを殺すなどあってはならない。
 全てを諦め、傀儡になる理由にはならないんだッ……!」

[知床] 白洲アズサ : 「それともお前は、自分でそう決めたのか……?!」

[知床] 桐山和雄(NPC) : 「そうだ」

[知床] 桐山和雄(NPC) : 「─────ターゲットは、お前にする」

[知床] 桐山和雄(NPC) : そのまま、アズサの後を追っていく。

[知床] タクシー運転手 : 「おい!まだ話は終わってないぞー!」

[知床] タクシー運転手 : 取り残されて寂しい先生。

[知床] 桐山和雄(NPC) :  

[知床] 桐山和雄(NPC) : ザン。

[知床] 桐山和雄(NPC) : アズサを追い、やってきて。

[知床] 桐山和雄(NPC) : そして、鋭利な針を放つ。

[知床] 桐山和雄(NPC) : その射程先には、副担がおり……頬を掠めていく。

[知床] タクシー運転手 : 「…おっ?消えたと思ったらまた現れたな…って!なにすんじゃい!」

[知床] 白洲アズサ : 「────ッ! 副担任先生!」
……いつの間にか、ぐるっと回りこんでしまったのか。

[知床] 白洲アズサ : 逃げられ……ない。
アイツを……止める手段は、あるのか?

[知床] 桐山和雄(NPC) : 「狙いが厳しいな」

[知床] 白洲アズサ : 「……ここは森だ。視界は普段よりも狭いだろう」
掠める、まで持ちこむ奴の力は……一体、なんなのだ。

[知床] 白洲アズサ : 「こんなのは、不毛だ……
 全員の命を奪うまで、続けるつもりか……?
 何のために……ッ!」

[知床] 桐山和雄(NPC) : 「……言ったはずだ」

[知床] 桐山和雄(NPC) : 「俺は……生まれてから、ずっと、感情が無い」

[知床] 桐山和雄(NPC) : 「……胎児の頃に、事故があったらしい」

[知床] 桐山和雄(NPC) : 「精神障害、と言っていた」

[知床] 桐山和雄(NPC) : 「……俺はこれに、悲しめばいいのか、それすらも分からない」

[知床] 桐山和雄(NPC) : 「だが俺は、それでも俺を貫く」

[知床] 桐山和雄(NPC) : 「命の価値が平等だというのなら、俺はそれを信じよう」

[知床] 桐山和雄(NPC) : 武器を構える。

[知床] 白洲アズサ : 「……………」

[知床] 白洲アズサ : 「そう、か……」

[知床] 白洲アズサ : 「それが、お前の……”諦めない理由”か」

[知床] 白洲アズサ : 「他人はどうしても他人であり、私はお前の心を読み取ることは出来ない。
 だが……」

[知床] 白洲アズサ : 「お前の貫き通すことが”殺し”なら、受け止めてみせる
 そして、私もまた……”不殺”を、貫いてみせよう」

[知床] 白洲アズサ : 武器は構えず、その間に足を動かす。

[知床] 桐山和雄(NPC) :  

[知床] 桐山和雄(NPC) : そして、鋭利な針は、副担の右足を貫く。

[知床] 桐山和雄(NPC) : 「このエリアでなければ、お前を殺せていた」

[知床] タクシー運転手 : 「…いって~な!おい…」

[知床] タクシー運転手 : 「まあいいか。満足したならもうやめとけ、みんなに嫌われるぜ?」

[知床] 桐山和雄(NPC) : 「……随分と余裕だな」

[知床] タクシー運転手 : 「いや、多分一番焦ってる」
「殺し合ってるのになんもできねーからな」

[知床] 桐山和雄(NPC) : 鋭利な針を飛ばすも。

[知床] 桐山和雄(NPC) : ─────外す。

[知床] 桐山和雄(NPC) : そこにただ、立っているだけだというのに。

[知床] 桐山和雄(NPC) : 「………チッ」

[知床] 桐山和雄(NPC) : 「俺が狼狽えた?まさかな」
胸に手を当てながら。

[知床] タクシー運転手 : 「慣れない場所を一日中移動してるんだから疲れてるんだろう」
「休んだ方がいいんじゃないか?」

[知床] 桐山和雄(NPC) : 「余計なお世話だな」

[知床] 桐山和雄(NPC) : 「お前もそろそろ動くべきではないか?」

[知床] 桐山和雄(NPC) : 「もう既に、このクラスは何人も死んでいるのだぞ」

[知床] タクシー運転手 : 「いや、俺がここにいるってわかったら誰かしら会いに来ると思うから動かん」
「桐山みたいにな」
足の痛みを覚えつつもニカッと笑って

[知床] 桐山和雄(NPC) : 「…………」

[知床] 桐山和雄(NPC) : 桐山は何度も、何度も何度も針を撃ち続けた。

[知床] 桐山和雄(NPC) : しかしそれは、副担の髪を、服を掠めていくだけであった。

[知床] 桐山和雄(NPC) : 桐山はスペシャリストだ。
手に持てば、なんでもプロ並み以上に扱うことができるようになる。

[知床] 桐山和雄(NPC) : それでも、外してしまう。

[知床] 桐山和雄(NPC) : 「………じっとしていろ」

[知床] タクシー運転手 : 「いやだから俺は動かないって言ってるだろ!?」

[知床] タクシー運転手 : 桐山くんは意外と天然なのかな?

[知床] 桐山和雄(NPC) : 「……チッ」

[知床] タクシー運転手 : 「疲れてるなら休めって」
「俺は手を出さないし、誰か来たら起こすからさ」

[知床] 桐山和雄(NPC) : 再び、鋭利な針を構え。

[知床] 桐山和雄(NPC) : 放つも、当たらない。

[知床] 桐山和雄(NPC) : ……が。

[知床] タクシー運転手 : つい先ほどまでにこやかに笑っていた男の首は吹き飛んでいた。
なぜかって?実は俺だけ特別ルールを課されていたのだ。
2日間以上誰も殺害しなかった場合、首輪が爆発するというルールが。

[知床] 桐山和雄(NPC) : 「………………ッ!?」

[知床] タクシー運転手 : 問題児が多いクラスだったから、最後まで見届けたかったのだが…まあ仕方ないよな。
勝手に死んですまんな桐山。

[知床] 桐山和雄(NPC) : 男は、目を開く。

[知床] 桐山和雄(NPC) : 「馬鹿な」

[知床] 桐山和雄(NPC) : 男は、駆け寄っていた。

[知床] 桐山和雄(NPC) : そして、首の無い体を抱え。

[知床] 桐山和雄(NPC) : 「…………」

[知床] 桐山和雄(NPC) : 「……何故、死んだ」

[知床] 桐山和雄(NPC) : 小さな声で、そう囁いた。

[知床] 桐山和雄(NPC) : 「………何故だ、何故」

[知床] 桐山和雄(NPC) : 「…………チッ!」

[知床] 桐山和雄(NPC) : 大きな舌打ちであった。

[知床] 桐山和雄(NPC) : 「……………副担、お前は……俺に、一体何を……」

[知床] 桐山和雄(NPC) : 月光を背に、男は俯いたままであった。

[知床] 桐山和雄(NPC) :  

[知床] 桐山和雄(NPC) : 「………」

[知床] 桐山和雄(NPC) : 対峙する。

[知床] 桐山和雄(NPC) : 夜風が、男の髪を揺らす。

[知床] 桐山和雄(NPC) : 「─────死ね」

[知床] 桐山和雄(NPC) : 鋭利な針が、麻衣の右足を貫く。

[知床] 麻衣 : 「なっ…!」
麻衣の下半身がスクラップになる

[知床] 桐山和雄(NPC) : 月光が男の瞳に映り。

[知床] 桐山和雄(NPC) : 「まだ立てるだろう?」

[知床] 桐山和雄(NPC) : 「追加参加者なのだからな、その程度ではないだろう」

[知床] 麻衣 : 「…そうだったな、そういえば何をしに来たのかようやく思い出したよ」

[知床] 麻衣 : 「お前を殺す」

[知床] 桐山和雄(NPC) : 「それでいい」

[知床] 桐山和雄(NPC) : 「会話はそれがいい」

[知床] 桐山和雄(NPC) : 「命は平等なのだから」

[知床] 麻衣 : 「ああ、それでいい」

[知床] 麻衣 : 足の負傷がどうした?関係ない

[知床] 麻衣 : ここで必ず仕留める

[知床] 桐山和雄(NPC) : ─────銃声が鳴り響く。

[知床] 桐山和雄(NPC) : 雪が降る中、そして辺りには、同級生達の死骸が転がる中。

[知床] 桐山和雄(NPC) : 「やるな」

[知床] 桐山和雄(NPC) : 学生とは思えない動きで、攻撃の嵐を潜り抜けていく。

[知床] 麻衣 : 銃弾をいもではじき返し

[知床] 麻衣 : 「チイッ!ここじゃ中々相手に近づけねえ!」

[知床] 桐山和雄(NPC) : 「移動をするぞ」

[知床] 桐山和雄(NPC) : そして男は─────本部がある場所まで足を走らせていく。

[知床] 麻衣 : 「あっ!?待て!!」
その後を追う